2010年3月20日土曜日

今日は卒園式

うちの娘たちが通う大徳寺保育園、
大徳寺塔頭、玉林院というお寺の保育園です。
卒園式も本堂客殿、狩野探幽一門の手による
国指定重要文化財の襖絵があるところで
とてもおごそかに執り行われます。
と、言うととても荘厳な感じがしますが、そこは
園児たちの声に和まされながら進んでいくのです。

ぼくにとって、今年最後の任務として望むため昨夜考えた
「光悦の茶碗をかんがえる作戦」を遂行した。
しかし、はじめのうちはそれでよかったのだが、式がすすむに
つれて、相手も強力な布陣を敷いてくる。
まずは卒園証書を園長が子供達ひとりひとり名前を呼んで
渡して行く、それをこどもたちが脇に参列している親へ
手渡すのである、御仏が見ている前で。
ファインダーを覗いていても、グッとくる。
僕は考える「光悦、こうえつ、コウエツ〜〜」
そのあと、園児らが歌をうたう。
このあたりから心のなかの風船に水が溜まりだす。
歌の内容が涙を誘うので、未体験の者何名かが落ちる。
でも、この陽動作戦は以前長女のときに経験して知っているので、
昨日、林屋先生からお電話いただき、茶碗のことをすこし話した
ことなどを考えつつ、なんとか乗り越える。
シャッターを切りながら、ここさえ乗り越えれば大丈夫と思って
いたら、以外な攻撃にでてきた。園長の送辞に対して、保護者代表で
F.Tくんのおかあさんが謝辞をするという。
おいおい、聞いてないぞ、前回はなかったぞ。
F.Tくんのおかあさん前に出る、話し出す、言葉に詰まる、間があく、
話す、詰まる。「ちいさい子供を預けて、仕事にいく、という、、」
そんな話したら、廻りはすすり泣くでしょ。
もう、風船の中に水がどんどん溜まっていく感じ。
それでも、「乙御前、おとごぜ、オトゴゼ〜〜」って感じですよ。

なんとか式も済み、客殿前で記念撮影を撮ることとなり、みんなに
集まってもらって、一通り任務を終えようかとしたところ、、、。

この一年にわたるカメラマンの任務は21人みんなの表情を撮りたかった
ので、ハルカを特別視して撮ってはなかったんです、ただみんなの中に
うちのハルカがいてたということでした。

そのハルカが記念撮影を終えて、わらわらしてるみんなの中から
ふいに現れて、「おとうさん」と言ったものだから。
ぱんぱんに水で膨らんでいた風船が弾けた。
あとはもうダム決壊。

光悦作戦撃沈。