2010年3月7日日曜日

楽吉左衛門2デイズ

先日、兵庫陶芸美術館で楽家十五代、楽吉左衛門ワークショップが
催され参加させていただきました。ワークショップとはいえ、
2日間にわたって、当代による楽茶碗についてや歴史、制作風景の
ビデオ、スライドを使ったレクチャーなど、存分に味わうことが
できました。そのなかでも、長次郎の黒茶碗「杵ヲレ」を実際に
手に取らせていただき、なんともいえない風合いと触感には、
言葉で表現することはできないものがあります。この感触はおそらく
消えることがないでしょう。どう伝えたらいいのかまったく
わかりません、ただ、茶碗から発せられるオーラがすごい。
ボキャブラリーの無い人間が語ると薄っぺらく感じるので言えません。




今回のワークショップ、
実際に土を使っての実演などは、手捏のみとなり、当代の
真骨頂である箆削りはされませんでしたが、いろいろお話を
うかがって、感じたのは、茶碗作りにおいて、当代は
とてもストイックな方なのだと感じました。でも神経質そう、
というのではありません。お話されていても快活ですし、
若々しい風貌はかっこいい。
ただ、茶碗の制作については神経を研ぎ澄ませている、と
いうことです。大胆な箆削りや施釉な茶碗ですが、
じつは計算されたものである、ということを知りました。
ぼく自身の制作時においての心のありかたはどうなのか、
あらためて考えることになった二日間だったように思います。

これから僕自身も茶碗を作っていくのですが、この二日間が
どう活きていくか、見極めなくてはいけません。

自分自身で。